うちラボ

【DIY】パドルストロップ(革砥)を自作する

ナイフが好き=刃物を研ぐのも好き。この構図はおおよそ当てはまっていると思う。

見たことあるよね、よく床屋のおやじさんがカミソリを革でシュッシュッとやるあれ。

刃物を革砥で研ぐ行為をパドルストロッピングと言います。(うちラボ造語)

刃本来の角度にもよるが、ナイフにパドルストロッピングをしてやるとナイフもカミソリのような切れ味になる。

 

ナイフを研ぐ仕上げはパドルストロップ(革砥)でやりましょう

革砥の長所はまだあって、石と違って柔らかいことがポイントだ。柔らかいとなにがいいのかという刃が沈んでくれるのでハマグリ刃のナイフも上手に研げてしまうのである。

ささっと取り出して研磨剤をすり込んでからしゅっしゅっとやるだけなので、砥石のように吸水させる手間もない。

 

 ナイフ研ぎは、切れ味の為に研ぐとか鏡面のようにピッカピカに研ぎあげるとかいろいろあるけど、ナイフ好きにとって研ぐことは一種の儀式に通ずる。と思ってる。

そして、安全に使うためにも研ぐことは欠かせませんね。切れないナイフや包丁は余計な力が入ってしまい予測不能な動きをすることがあるため大変危険です。

 

ただし、いたずらに研げばいいってもんではない。

ディスカバリーチャンネルでおなじみ「デイブとコディのサバイバル」のデイブ・カンタベリー著【ブッシュクラフトの教科書】によると

研ぎは一発勝負 磨きは好きなだけ

という言葉がある。

荒研ぎにしろ、中研ぎにしろ砥石や研磨剤を使ってひと研ぎする度に間違いなくブレードから金属が剥がれ落ちているということだ。

なので欠けたりしたときでもない限り躍起になって研ぐ必要は無い。

刃の付け直しや、欠けた刃を研ぎなおすとなると話は別だが「ちょっと切れなくなってきたかな」ぐらいなら

中研ぎを5,6回、仕上げ砥石で5,6回シュッシュっとやって最後に革砥でシュッシュっとやるだけで十分だ。

極論を言えば、「ちょっと切れなくなった」ぐらいではパドルストロッピングだけでも十分だと思っている。それでも切れなければ砥石を引っ張り出してきて軽く研いでからストロッピングすればいいだけだ。

「ちょっと切れなくなった」状態のナイフをガシガシ研いでも「切れ味を取り戻す」を通り越してただ金属を磨耗しているだけなので「こんなもんでいいの?」というぐらいでやめておいて都度切れ味確認をすればいい。

定番の紙をスーっと切る方法でもいいし、ぼうぼうに伸びた髭をそり落としてもいいだろう。(気をつけてね)

 

この最後の革砥仕上げによって、表面のミクロレベルの凹凸がさらに滑らかになって切れ味を取り戻すのである。

なので是非最後には革砥でストロッピングをしてもらいたいのだがこれがなかなか店頭では売ってない上に通販で買うと高い。

 

なので作ってしまおうというわけだ。

 

パドルストロップ(革砥)を自作する

 材料を準備する

今回用意したのがこちら+ボンド

  • 革の切れ端 必ずスェード面が残っている革
  • 1x3材 余っていたのをつかったが丁度いいサイズだったのでおすすめ。
  • 革用ボンド 両面テープでも代用可

たったのこれだけ。私は全て余っていたものを利用したので制作費は0円だが、一から揃えたとしても500円以内で揃えることができる。 

革砥を作る準備



 

革の切り出しと持ち手の加工

握りやすいように適当に加工する。別にやらなくてもいいがやったほうがそれなりっぽくなる。

革砥を作るため持ち手の加工



 

 

革を貼ってクランプで圧着

せっかくなので両面に革を張るが、この時必ずスェード面を表に貼ること。ツルツルした面では研げないのでここだけはお間違えなく。

ボンドなり両面テープで貼ったら板を挟んでクランプで圧着させて5~6分放置。

板がなければクランプの跡が付かないようなもので代用してもいいし、最悪ケツの下に敷いて圧着させてしまえばいい。

革砥を作る圧着させる



 

 

完成 

完成品の画像をとる前に先走ってしまったがめちゃくちゃ簡単だったでしょ?

時間にしても30分ぐらいでできたはず。持ち手の加工をしなければ10分もかからずできてしまうであろう。

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さて、早速最近ハードに使用して研ぎも疎かだったナイフをストロッピンングしてみた。

専用の研磨剤が売っているがとりあえずあったピカールで磨いてみる。

その前に、ピカールを革砥につける前にどうやら革砥に油を塗り込むといいらしいので

椿油を塗りこんでおく。

革砥が黒くなっているはブレードの金属が研磨されて黒くなったもので、これが研げている証拠だ。

研ぐときの注意だが、砥石のような研ぎ方をしてはいけない。うっかり刃でスエードの毛羽立ちを剃ってしまわないよう気をつけよう。

研ぎ終えたらキレイに洗い流し仕上げに椿オイルなどを塗って錆び止めして終わり。

コンパウドは人畜有害なのでよーく洗い流してください。

 

終わりに

これで刃を長持ちさせ切れ味も簡単に取り戻すことができるようになった。

高価なナイフを使っている人も安価なナイフを使っている人も包丁しか使わない人もこれを機にパドルストロップ(革砥)を自作してみてはいかがでしょうか。

安価で作れる上に手軽に研げてカミソリのような切れ味に仕上げられる。これはもう作らない手はない。

 

こっそり奥さんの包丁を研いで「最近包丁よく切れる感じしない?」なんニヤニヤしながら聞いてみるのも一興かもしれない。

 

それでは!

 

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